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昔の人の方が良く歩いた



「昔の人はすごいですよね。雨にも負けず一日に50キロや60キロを平気で歩いています。
壬申の乱のとき、大津を脱出した大海人皇子はその日のうちに飛鳥までの70キロを女たちを連れてあるいたでしょう。

芭蕉だって、かなりのお齢だったのに雷雨に降りこめられたりしながら50キロも歩いた日がありますよね。
昔の人なら雨が降ろうと草軽電鉄の跡など一日で歩いてしまうでしょうな」

   宮脇俊三著 「失われた鉄道を求めて」 1989年9月15日 文藝春秋

(草軽電鉄 路線延長 草津温泉 軽井沢 間 全線 55.5km 廃線)

★昔の登山者は良く歩いた

最近の登山は 良くなった 道路など利用して 上澄み を すくい取るようなものだ とよく言われます。

昔 一合目から歩いていたのに 今は五合目なら良い方で 六合目 七合目まで 車など交通機関を利用し 上澄みの所だけを ちょっと 歩いての登頂が 一般化してきています。 著名山 ブームで 案内されている 著名山の登り方は そうした登り方が多いのが現状でです。 

昔は といっても そんな太古の話でもないのですが、少し以前は どこの山域でも  林道など 未整備で アプローチに それなりに 労力を 要するのが 当たり前で 麓から じっくり 登っていくのが 当然でした。

ところが 昔と今と 大きく異なるのは 林道の発達 や途中の 道路が良くなったため いよいよ登山道は 林道終点からから始まるものだという ばかりになってしまったことです。

麓から じっくり 歩くのに比べ 労力も 時間も 大幅に 短縮され 楽になっているのは 事実ですが 単純には喜べない 問題があります。

そもそも 山登りのような 趣味的なものは 長く複雑な 過程があればこそ 深い達成感が得られるのです。

林道終点 迄いって ちょいと 山頂まで 楽に いける所では より深い達成感は 得られにくくなり 人々から疎んじられるように なっていくのです。

交通機関の発達は それはそれで 良い面はあるでしょうが 山では不便さを 味わわなければいけない 事もあるのです。

少し不便が良いのか 大きく不便が良いのか 判断は 人それぞれでしょうが 、昔の人の方が 深い感動の山を味わったのかもしれません。

今でも 深い感動を求めて わざわざ 昔通りの 下から登るのにこだわる 登山者も 少数ですが います。

★携帯電話がなければ 「遭難事故」はなかった

安易な 携帯電話の使用が 遭難事故を 増やし 頻発化させているという 指摘があります。

だいいち 連絡もつかない 誰にも 救助要請など出来ない ということが 当たり前の時は 深い山にはいるには それこそ 真剣に 準備し 心構えも 安易に入れる 現代とは 全然違っていたことでしょう。
そして 万が一にも 事故の無いように 慎重に 慎重に 判断し 行動するでしょう。
もし万が一の時でも 自力で なんとしてでも下山するという 気構えで 山に入っていました。

天候などによって 仮に下山が遅れていても それなりの予備日とか 対処の仕方などもしていたのです。

ところが   携帯電話の発達などで いつでも何処へでも 山岳救助ヘリを呼べるとなると 気構えは 昔の人ほどには 無い と言っていいでしょう。

少々の道迷いや 予定外の時間経過で 下山が遅れ大騒ぎになったり、するのも 安易な携帯電話で 連絡がつくから 気持ちが 易きに 流れていっているのではないでしょうか。

連絡がつかないとなると、安易に救助要請ができないのですから 最後まで自力で無事に下山できるよう 安全登山に 配慮して 行動する という事になるのでしょう。



携帯に関しての 記事より

「----登る山の下調べが不足、コースを正しく歩く技術も 不足、ライトのような山の必携品も持っていない。しかし、携帯はしっかり持っている登山者が多くなった。」と嘆く。また 「 携帯がない ころにも日没による行動不能の事例はあったが、秋の山で 一夜を明かし 翌日は 無事下山していた。」と携帯による 安直な救助要請を批判している。」

山と溪谷2004年2月号 『 「登山の常識」をもう一度 考えてみよう 』 石丸哲也 

★ 不便なのを 楽しむのも 良いことかも

必需品は 持たなければなりませんが、あれもあれば便利 これもあれば便利などという 便利さ を 追求していけば、荷物がふくれあがります。車などにいくらでも 積み込めるとなると、必然的に 荷物量は格段に増えていきます。

山歩きは、荷物の運搬ではなく、山を楽しむところにあります。

軽量化に心掛けるのは、より 自然に 密着して 楽しもうという考え方 なのかもしれません。

山では 思い切り 不便さを味わいのもいいでしょう。

不便だけど 自然が一杯。

2004年2月8日 第1版制作
2006年3月20日更新
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