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GPSを使った 山歩き


1  はじめに
2  単に位置情報
3  トラックログの取得を第一
4  まず地図と磁石 それを生かす冷静で的確な判断能力
5  ホワイトアウト
6  海上船舶
7  高度計
8  緊急避難的な状況ならばGPSを使う
9  有視界(VFR)航空機の事故
10 GPSはあくまで補助的な使用
11 米軍のGPS万能説に憂慮する人もいる
12 反論その1
13 模範解答を見ながら試験問題を解いてしまう
14 反論その2
15 意外にも弱いもの
16 見上げる星空
17 GPSの限界
18 結論
19 余談 GPSはお遊び道具

補足 「GPSフィールド活用ガイド」


 はじめに


位置情報を簡単に得られるものとしてGPSグローバルポジショニングシステムがあります。
私の山歩きでもいつもGPSを持ち歩いていますが、試行錯誤の何年か経てようやく自分流のGPSの使い方が固まってきました。

ここで紹介する自己流の使い方には多々ご批判もあることでしょうが、あくまで一つの考え方とご理解ください。私には残念ながらGPSを大砂漠や大草原、大樹林帯、大海原、大氷原で使用した経験はないので、ここでの話題は日本国内の一般的な登山対象となる特定の山域での話として限定してください。(それ以外の使用状況は別の使用例を見てください。)

GPSは参照程度のことであって、あくまで自己責任の範囲でお使いくださいとはガーミン社製のGPSの初期画面に出でてくる通りであり、自分流を決して他人に強制するものではありませんし、使い方はあなたのご判断でご自由です。GPSに過度に依存した結果の海難事故や航空機墜落事故も起きています。険しい山道にはそれなりの覚悟と十分な装備と完璧な体調でもって、入山しやはり自己責任で慎重な行動が必要になります。

GARMIN 初期画面より
All data is presented for reference only.
You assume total responsibility and risk. associated with using this device.



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  単に位置情報


GPSは 単に位置情報を提供してくれるだけ です。
その情報をもらっても、情報をどれだけ適切に生かせるかは利用する人間の側の問題です。
道具が誤って使われて凶器になることさえありえます。GPSを十分適切に使いこなすにはそれなりの準備や心掛けが大切です。山登りでは地図、磁石をはじめ、春夏秋冬の季節や登る山域に応じた登山の必要装備を適切に使いこなすことがまず前提となって、初めてGPSが生きてきます。
まずは適切に状況を判断し、足元をっしかりみて見て安全を確保しながら山道を辿らなくてはなりません。

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  トラックログの取得を第一

いきなりですが、私のGPSの使い方は トラックログの取得 を第一としていて 、原則的にナビゲーションには出来るだけ使わないようにしています。

登山開始時スイッチを入れ、山の中ではGPSはザックの雨蓋の中で常に電源を入れっぱなしにしていてひたすらトラックログの取得をしていきます。

原則的に電池を交換するときぐらいしか決してGPSを見たりしません。電池の有効持続時間はカタログデータでなく自分の経験で計算しておく必要があります。
下山して電源を切ります。車で行くときは 必要に応じて 家から登山口の往復までもトラックログをとります。

LOGはその日の行動中一杯にならないよう取得間隔を調整したり、ワンダースワンやPDAをつかってデータを大量に一時保管します。

そして帰宅したあとでパソコンへカシミール(フリーソフト杉本智彦氏作)を使ってトラックログを取り入れ山行記録データとして保存します。

貴重な山行記録としてルートデータを分析し正確なコースタイム記録として、鑑賞して、念のため確実にバックアップをとって永久保存しておきます。


GPSの数々、欲望が拡がり、貪欲に、トラックログを、とろうとすると大がかりになる



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 まず地図と磁石 それを生かす冷静で的確な判断能力


どの磁石も指している方向は一緒です。

明確な目標物がない砂漠などでGPSの使用するのはよいでしょうが、日本の山ではまず地図と磁石によるナビゲーションが基本だと思います。

そして地図と磁石を生かすには注意深い地形判断力や鋭い位置感覚、方向感覚を培うことが必要になります。
が更にその前提となるのはどんな疲労や空腹や渇きなどの人間的な悪条件のもとで漆黒の暗闇とか寒さや強風雨雪の低視界気象条件などの外的悪条件下でもいかに精神的な安定性を保てるかなのです。 

多くの道迷いの遭難にはこうした悪条件の重なった中で心の平静さを失ってパニックに陥ってしまう過程があるのです。

 まずはどんな悪条件下で道迷いになっても常に冷静沈着な判断が出来るように強靱な精神力を養うことが大切です。抜群な精神的安定度でもって鋭い位置感覚、方向感覚を働かせて地図と磁石を使いこなせば殆どの問題はは解決出来るのではないでしょうか。
ですからGPSによるナビゲーションは出番がないということになります。

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  ホワイトアウト

もしホワイトアウトになったといっても、経験と地形熟知度や方向感覚や位置感覚の違いにより人によって、どの程度の視界のことをホワイトアウトいうのか差異があるでしょう。

視界100メートルでホワイトアウトという人もあるし、視界10メートルでも自信をもって歩ける人もいるでしょう。

言い訳でホワイトアウトと言っているうちはまだ余裕があるのですが、文字通りの一寸先のホワイトアウト(視界30センチ)になってしまった時には、足下も見えないわけで、その時は仮にGPSを使用しても足下の不安から行動は出来ないかもしれません。

天地の境がわからなくなる「ホワイトアウト」。

低視程時を選んで行動する雷鳥に言わせると、
「ホワイトアウト」とは人間の側の問題であって
単に「言い訳」に過ぎないということかもしれない。

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 海上船舶

船舶でもGPSの普及で霧中でもGPSに頼って航行し、海難事故になるケースが多々報告されています。

海上で視界ゼロの霧になっても、今では、船長の判断次第では、、GPSと自動操舵装置を頼りにして、航行することもできます。

この様なとき、位置と進む方向は分かっていても、一番怖いのは、他の船との衝突であるといいます。仮に自分は位置情報をGPSで確認していて、霧笛をならし自己の存在をアピールしながら自信をもって目的地に向かってゆっくり進んでも、同じようにGPSをみて現在地を分かって、進む他の船が霧の中にいるかもしれないのです。

レーダーでは船影がよく分からないうちに、突然、霧笛が近づき、あっという間に互いに衝突してしまうかもしれません。

だから こうしたときは船長自ら直接陣頭指揮して、GPS、レーダーだけに頼らず、まず見張りを十分強化し、霧笛をならしながら、十分に速力を落として細心の注意を払い航行するか、航路を避けて、座礁の危険などない、安全なところで、霧笛をならしながら、停船し、潮流に流されるのにも、注意しながら、ひたすら霧の晴れるのを待つのが、正解ということになります。

見張り役の五感や、統率する船長の実践に基づく経験に裏付けられた適切な判断がGPS位置情報以上に大切だと言うことになります。

つまりGPSの情報を得てどう行動するかは人間の側にあります。

霧海難防止
GPSに気をとられて事故を起こした例も報告されています。

高松海上保安部海の安全情報より 引用 その一

「平成14年8月8日午後5時頃、香川県小豆郡土庄町唐櫃港二号防波堤西灯台から78度約850mに存在する暗礁にO船籍のプレジャーボート(2名乗り組み)を底触させ、機関室から浸水し漂流していたところ、乗組員2名は付近の漁船に救助されたが、該船は沈没してしまいました。
船長は、付近には暗礁があることは認識していたが、十分に調査することなくまだまだ行けるだろうと安易に判断しGPSに気をとられたため該船の船尾付近を底触させました。

幸いにも乗船者にケガ等なく大事には至りませんでしたが、もし付近に漁船がいなければ、人命に関わる重大な海難になっていた事故です。
ボート等でお出かけの際は、事前に航行海域の水路調査を十分に行うとともに、航行時は、GPSに頼りすぎることなく、常時、適切な見張りを行い、自船の進路、位置を海図等で確認し安全運航に努めて下さい」

「乗揚げ にご注意下さい!」 高松海上保安部海の安全情報 
http://www.kaiho.mlit.go.jp/06kanku/takamatsu/d_safety_navigation/d_09kainanziko/d_9_14-15nen/d_9_16/d_9_16.html


高松海上保安部海の安全情報より
高松海上保安部  海の安全情報より 引用 その2

通念島でプレジャーボート乗揚げ(4月2日)

「平成17年4月2日午後9時20分頃、 香川県東かがわ市引田町にある引田鼻灯台の東方約2500m、通念島東側にプレジャーボート(乗組員3名)が乗揚げました。
この海難は、強風になってきたため錨を揚げ引田港に向かう途中に下記図の場所へ乗揚げたもので、その際、機関室に浸水が生じました。
当保安部の巡視船艇が救助に向かい乗組員3名を救助しました。人命等異常なく、油の流出もありませんでした。
  乗揚げの原因は、GPS画面に頼りすぎたため浅瀬を見落としたものだと考えられます。」


GPSに道路なし 暗岩に注意
http://www.kaiho.mlit.go.jp/06kanku/takamatsu/d_safety_navigation/d_04anzen/d_4_16iroha/d_4_42_si/d_4_42.html

「同じGPS測位を使用しているカーナビと航海用GPS機器の根本的な違いを述べて見ましょう。
カーナビには「道路」が表示されており、その道路を選択して走る訳ですが、その道路から故意にはみ出さない限り道路外に飛び出し事故になることはないのです。
また、女性の声による案内もあります。

これに対しGPS機器では、自船が航走するコースは障害物を避けた安全なコースを自分で決定する必要があること、更にはそのコース設定のミスあるいは風潮流などによって自船が設定したコースから外れることにより、目に見えない水面下の障害物に乗揚げる危険性があるということでしょう。

簡単に言うとGPS機器では「目に見えない障害物に注意せよ」というこです。」

高松海上保安部海の安全情報より

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 高度計

GARMIN社のeTrex summit などの気圧高度計内蔵式のGPSでの気圧高度表示は別にして,GPS受信での垂直データ表示は一般的にGPS平面データに比べ正確さは劣ります。

山では腕時計型などの気圧高度計の方がずっと簡単で見やすく精度良く使用出来ます。

最近の腕時計型気圧高度計は高度の補正も簡単で、こまめにできますのでGPSの高度表示などより正確な気がします。

弥陀ヶ原のようなだだ広いところでなければ、高度が推定できれば、位置情報の特定は かなり狭ばりますから 簡単に地図と磁石で位置の特定ができる事の方が多いでしょう。

地図と磁石の他に気圧高度計が位置決定に絶大な力になります。


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 緊急避難的な状況ならばGPSを使う

原則的にナビゲーションには使わないということであっても、もしもの緊急避難的な状況ならば危険を回避するためにやむを得ずにGPSを使うことがありうると思います。

当然、霧風雪雨などの低視界とかの悪条件下での使用ということになりますが、この追い込まれた状況下でも冷静な判断力を常に持ち続け的確にGPSを使いこなさないと満足には使いこなせないと思います。

マップポインターという当て定規がありますが、紙の地図を広げるだけでも大変で、広げた地図が吹き飛ばされそうになるような強風のもとでは、まず体が飛ばされないような耐風姿勢をとった状態で、フードを叩きつける強風雨、烈風雪の最中で、じっくりそれらを使いこなすのはなかなか大変なことで風を避けてかなり余裕のある状態でないと使えないのではないでしょうか。

(マップポインターが余裕を持って使えるのは視界良好のおだやかな気象状況である場合が多い。)厳しい条件のもとではGPS側で事前に必要なデータを入力しておくことでGPSの使い勝手が格段に良くなります。トラックバックとか、事前に入力し設定したルートをフォローするとか、入力済みのWAYPOINTへのGOTOなどを使うにはそれなりにデータの入力の準備が絶対に必要となってきます。
(地図は吹き飛ばされ無いようにすることも大事ですが、念のため用意した予備の地図で事なきを得たことも多々あります。)結局のところ、マップポインターは余裕のあるとき使用できます。


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★携帯電話

最近 山岳遭難事故で携帯電話の果たす役割が大きくなってきました。本来、山にまで持っていくべきものか、議論がありますが、携帯電話のお陰で、救助されたというのが多くなってきました。

中には、安易な救助要請が続出しているとかいう、批判もあります。

しかし、携帯電話を持っていることによる、連絡手法の格段の進歩は いい面に生かせれば、大きな恩恵をもたらすのではないでしょうか。

位置情報をGPSで獲得し、携帯電話で場所を通報すれば遭難場所が解らず大勢の救助隊を各方面から捜索にむかわせる手間暇は大幅になくなるでしょう。

ただ、それはあくまで緊急救助を必要とする場合に限り、使用すべきであって、明らかな乱用は登山の退廃につながるかもしれません。この手の道具の使用には登山者のモラルが求められます。

今の携帯電話使用を前提にして、いつでも連絡がつくと、気楽に思って山に入るのと、昔のように何も連絡手段もない、本当に山深いところへ、入り、しばらく音信不通になる、というと、人間の気構えは、全然ちがってきます。

それなりの心積もりを持つならば、携帯なりGPSは万が一の時の最後の手段として、とっておくだけになります。

今の状況が自分にとっては絶対的な緊急時だと思っていても、経験豊かな登山家には、余裕の範囲内ということなのかもしれません。
限界は慎重に見極める必要があります。

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 有視界(VFR)航空機の事故

安易に経常的にGPSだけに頼ることによる危険性はGPSに関わる様々な分野でいわれています。

航空分野では最近起きた有視界飛行の小型飛行機が、瀬戸内海の島に墜落した事故の報告書には過度にGPSにたより 雲中飛行し 地図画像になかった島への墜落事故の例がGPSへの過度の依存への警鐘としてなされています。

まず慎重な気象判断をすることから行動がはじまります。

★ 航空鉄道事故調査委員会報告書資料(平成13年3月25日香川県小豆郡土庄町豊島山中への墜落事故)

「本事故は、同機が、飛行中に有視界気象状態の維持が困難な状態に遭遇したが、飛行を継続したため、豊島の存在に気付くのが遅れて回避操作が間に合わず、12 時42 分ごろ、壇山の山腹に衝突したことによるものと推定される。飛行中に悪天候に遭遇したことについては、機長が、出発時及び飛行途中で、気象状態を軽視して飛行を実施し、継続したことが関与したものと推定される。また、このことについては、機長が、自動操縦装置やGPS 装置の地図画像を使用することを前提に、かつ、過度にこれらに依存していたことが関与した可能性が考えられる」

航空事故調査報告書要旨
(航空・鉄道事故調査委員会)
http://araic.assistmicro.co.jp/aircraft/kensaku/index.html

「所見
有視界飛行方式におけるGPS装置の使用

  有視界飛行方式で飛行する際に、航空機に搭載されているGPS装置及びその地図画像を航法の手段として補助的に使用する場合にあっては、飛行規程の限界事項を遵守し、それらの使用条件、性能及び地図画像の精度など、装置の機能を十分に承知した上で、使用することが必要である。
 出発の判断の際はもとより、飛行中本来飛行を断念すべき状態が見込まれた際に、これらの装置に依存し、または利用することを前提に、飛行の開始または継続を判断を判断することがあってはならない。」

航空事故調査報告書(航空・鉄道事故調査委員会)


事故機に搭載されていたものと同型のGARMIN GNS430装置の画像

航空機事故 土庄町豊島
航空事故調査報告書 2002−3 平成14年4月30日公表
型  式:パイパー式PA−28−181型
登録記号:JA123X
発生場所:香川県小豆郡土庄町
発生日時:平成13年3月25日
http://araic.assistmicro.co.jp/aircraft/kensaku/index.html








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10 GPSはあくまで補助的な使用

私は山では GPSは第一義的に利用すべきでない、GPSはあくまで補助的な使用に留めるべきだと思います。

まず気持ちを落ちつけて、研ぎ澄まされた五感でもって位置や地形を観察して地図、磁石、高度計などを見て適切に判断します。

その自分の判断の裏付けをGPSでとるようにすればいいのです。

元々道の無いところではルートファインディングが基本であって自分が歩いたところが道になるのですから道迷いはないのですが、山ではGPSは第一義的なナビゲーションとして利用しない原則を持つのはGPSの利用原則であると思うがいかがでしょうか。



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11 米軍のGPS万能説に憂慮する人もいる

GPSは米国国防省管理の本来は軍事用のシステムだが米軍のGPS万能説に憂慮する人もいる

「P‐51ムスタング戦闘機は、第二次世界大戦の流れを変えたといわれるほどの名戦闘機だが、合衆国内で今なお飛行可能なムスタング63機のうち62機が1999年にフロリダ州の飛行場に勢揃いして、じかに機の内外を見学する機会に恵まれた。エンジンも機体も昔のままだが、当時になかった装備が全機に付け加えられていた。それはGPS(全地球測位システム)装置である。
 なぜGPS装置を持ち出したかと言うと、アメリカ全軍でGPS万能説が浸透し始めているからであり、憂慮すべきことだからである。GPSもほかのハイテク装備も作戦遂行に際して兵隊を補佐するものである。兵隊がGPSに頼りすぎる事態は避けなければならない。GPSに不具合が生じた途端、部隊や個々の隊員の戦闘能力がゼロになってしまう危険が、GPSのようなハイテク装備にはあるからだ。
 捕虜になった時に敵の収容所から脱出する時点でGPSを携帯して逃げることなどは考えられない。出撃するに際して、戦場周辺の地形、川の流れる方向などを頭に叩き込んでおけばGPSやコンパスがなくても自軍に帰還することができる。
 ハイテク装備も役に立つが、本書「サバイバル」に書かれてあるように、太陽や星座から方角を読みとる知識や、想像力を養うこともまた、それ以上に兵士には重要なのである。」

三島瑞穂監訳者の言葉4ページ12行目より5ページ4行目まで引用

「米陸軍サバイバル全書」 三島瑞穂監訳 鄭 仁和訳 ISBN4-89063-145-3
並木書房発行 2002年4月15日発行 弐千四百円
東京都中央区銀座1−4−6 TEL 03-3561-7062 (http://namiki-shobo.co.jp)


最近 軍事利用のGPSに関してGPS妨害装置の存在も一般に知られるようになった。

ロシアの某社による GPS妨害送信機は イラク戦争などで話題になったが,やはり GPSが、軍事利用を目論む限りは、こうした 妨害電波発生装置の開発される可能性は常にあるといえる。

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12 反論その1

弥陀ヶ原などの広大な平原上で目標物のないところではGPSに頼らざるを得ない。

解答

当然GPS利用はありうることでしょう。
ただその時でも地図、磁石、高度計の併用のうえであくまでGPSを参考として使う姿勢が大切だと思います。
GPSだけに頼った場合、思いの外の谷筋もある地形で衛星補足ができなくなる場合もあり、山中の彷徨から抜け出すにはGPSだけでなく地図、磁石、高度計の併用が絶対に大切です。

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★ 大正12年1月松尾峠
「約1時間ばかり進んだのであったが、依然としていずれの尾根が松尾にあたるかがよくわからない。ただの瞬間でよいから見通しのきくように晴れてくれと、吹雪の走る弥陀ヶ原を注意して歩いた。この時であった、私はもしこのままで今夜を迎えることになたら、命の問題が現れてくると明確に知った。ゆえに私は方針を定めた。それは私達の下っているのは松尾に続く尾根の弥陀ヶ原に面した傾斜である。ゆえに如何としてもいったんその尾根の上のに出ずべきであると。あたかも地図と磁石とを頼りに吹雪の薄れた間を見通すと、はるか上方に疎林の影が小さく見える。私はその一団の先が松尾峠であると考えてそれに登るべく決した。」

槇 有恒  大正12年1月松尾峠


13 模範解答を見ながら試験問題を解いてしまう

山の中でGPSをみて現在地をあてるのは 模範解答を見ながら試験問題を解いてしまうのとよく似ていると思います。

問題を解くに至る思考の過程こそが、一番大事であるのですが、そこを省略してしまっては、解答を試験用紙に書き写すだけなのです。
実は山の楽しみの一つに山でじっくり問題を解いていく、ルートファインディングの楽しみがあるのです。
GPSで、この楽しみが奪われてしまわない為にも、安易なGPSの使用は避けるべきです。

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★カーナビ
自動車用にカーナビが普及していますが、カーナビばかり使っていると案外、道を覚えないといいます。
カーナビには便利な面もあるが反面GPSばかりに頼ると鋭い方向感覚や位置感覚は退化してくるのです。

14 反論その2


最近のGPSの最新機種の一部には地図データ内蔵されているし、 気圧高度計もあり、 更には電子コンパス機能もあります(ガーミン社製eTrexVistaなど)。 地図磁石高度計すべてGPSに含まれているでないか。
さらにGPSとPDAと連結すれば怖いものなしでないか。

解答
 確かに機器の進歩は著しいのでリアルタイムで位置表示できるでしょうが、それでも実際のアウトドアでの使用には限界があるのです。


 GPSとPDA接続すると、現在位置をリアルタイムにPDAの地図上で表示できるが、あまりにも強力な道具であり、恐ろしさを感じる。




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15 意外にも弱いもの

ハイテク機器はサバイバル的な悪条件のもとでは 意外にも弱いものなのです。GPSを使っていて予想外の突然の電池切れ、極低温下で役立たずになったりすることがあります。また防水性は多少はあるものの完全防水でもなく雪山での湿気とか豪雨による浸水で調子が狂うとかあり、この際の故障の修理は山中ではまず出来ません。故障したらあとはただのお荷物となってしまいます。


その点、地図と磁石はには、そんな故障はありません。また人の五感はどんなハイテク機器でも超えることはできません
大地震で交通機関が寸断され役たたない時でも一番頼りになるのは徒歩というのが過去の教訓であります。
実はサバイバル的な悪条件になればなるほどいつでも一番信頼性があり、確実なのは在来からあるローテクではないでしょうか。

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16 見上げる星空

星を見ると 位置が分かる。

見上げる星空で自分の位置を特定する天文航法で使う天体の星なら、夜空に星が見える限り、いつでも誰でも時間無制限で無料で使えます。
しかしGPSは米国国防省が運用している衛星を使用させてもらっているのだから、将来にわたって安定的に民間用に開放され続けるとは確実に保証されていません。

もともと家賃を払っていない間借り状況だからいつ大家の都合で退去させられるかもしれません。
突然サービスが変更されたり 再度SA(Selective Availability) がかかったり 局部的にある時間帯にサービスレヴェルが低下したりする可能性はゼロではありません。ある日家賃が突然請求されたりすることもありえます。

こうしたことで、確実に利用しようとしてロシアやヨーロッパ、中国などで自前の衛星を打ち上げたり準備しようとするのも分かります

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17 GPSの限界

さらに 電池の消耗 のが多いこと。ことに 低温時の電池の能力低下で頻繁に電池交換が必要になる場合もあります。

肝心なとき電池切れで泣くこともあります。さらに予備電池の大量携行にともなう重量増で荷物が重くなります。
GPS本体でトラックログをセーブしたら大事なデータが飛んでしまうので、すぐ一杯になるトラックLOGにやたら満足できず、ワンダースワンやPDAなど外部データロッガーを利用すると更に大がかりになり、重量も増になるのです。

沢筋とか谷間や樹冠の多い樹林帯では衛星の補足が困難になりデータは乱れたり途切れたりしやすくなります。  
稜線上でもピークの捲き道でもトラックが乱れることがあります。

衛星のメンテナンス状況や衛星配置状況次第では以前きれいにトラックがとれていたのに今度来たときは全く乱れたトラックデータになったりします。

GPS衛星そのものの機器の誤差があるうえ、電波の空中伝搬時の気象条件で誤差もあり、その上、携帯電話 無線機器 との干渉でデータの乱れがあるとされています。
そして、どんなに条件良く電波が受信できてもても常に測位の誤差はつきまといます。
 結局、GPSは常に絶対的に信頼できるものではないのを前提に使用するというのが今の状況です。

GPSは決して完璧なものではありません。

GPS電源となる電池の消耗は激しく、本格的に長時間運用すると、重量増加に悩まされる。

★最近起きたこと 参考までに

 平成16年1月GPSの運用で 大きな 異常が観測されました。

「船舶から「レーダー上の船の位置があちこちに変わる」「受信不能になった」などの報告が約20件あった。カーナビを搭載している車も、カーナビ上の位置と実際に走行している位置が約50kmずれていたケースもあった。船舶の座礁や車の衝突事故などはなかった。」 2004.01.16 



この件についての
海上保安庁交通部計画運用課のWEBサイトより

http://www.kaiho.mlit.go.jp/info/kouhou/h16/k20040115/


「平成16年1月2日 GPS測位データの異常を観測

海上保安庁交通部計画運用課
海上保安庁ディファレンシャルGPSセンター*1において、平成16年1月2日午前3時31分から午前6時19分までの間(日本時間)、GPS測位データの異常を観測しました。
 このため、ディファレンシャルGPSセンターにおいて、原因を特定するため、同午前5時10分、米国沿岸警備隊航行センター(USCG NAVCEN)に事実関係を照会したところ、GPSを構成する28基の衛星のうち、1基(第23番衛星)が異常な信号を発したため、GPSを運用する米国国防総省が、同午前6時18分に当該衛星を利用不能にした旨の回答が、同午前7時19分にありました。
 この間、海上保安庁では、航行警報を発出し、日本周辺海域を航行する船舶に対し注意喚起を行うとともに、各海上交通センターにおいては、ふくそう海域を航行する船舶に対し、情報提供を行いました。

2.現在の状況
 ディファレンシャルGPSセンターでは、GPSの測位精度の監視強化に努めていますが、これまでのところ異常は認められず、GPSの測位精度は従前とほぼ同等の値となっています。*2
 なお、第23番衛星は現在も利用不能状態です。


3.今後の対応
 本事象において、一般船舶を含むGPS利用者からGPS測位不能に関する連絡、問い合わせがあったことから、海事関係者等の協力を仰ぎ、今回の障害の状況、範囲等について調査を行い、海上交通の安全確保に万全を期することとしています。

http://www.kaiho.mlit.go.jp/info/kouhou/h16/k20040115/
海上保安庁交通部計画運用課」



U.S. Coast Guard Navigation Center
http://www.navcen.uscg.gov/

”A significant GPS anomaly occurred on 1 Jan 04, beginning at
approximately 1833Z. The anomaly affected precise timing and
navigation users over large portions of Europe, Africa,
Asia, Australia, and the far northern reaches of North America”」

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18 結論

以上 否定的な 要素を十分ふまえた上で

あくまで補助的な範囲内で自己責任で使いこなすのが登山用GPSの私の使い方です。

19 余談 GPSはお遊び道具

余談だけど一番大事なこと 

趣味の深さはいかに深く物事を追求していくかです。
深く追求すれば、
GPSはお遊び道具として実に面白いものです。

GPSはトラックデータの取得と割り切り、そのデータを利用するのは家に帰ってからと、ひたすらザックの雨蓋にでも、GPSを入れっぱなしにしておいて、いれば、山中では随分気が楽になります。

そして余計なことにとらわれることなく、地形をよくみて鋭い方向感覚をもって、地図と磁石に集中できます。

こうすれば、山中ではGPSなどに煩わされずに、ゆったりと至福の時を思う存分、過ごすことが出来るのです。

仮に山中でGPSと一緒にお遊びが出来れば、それはそれでまた楽しみが増すというものですが、命は一つしかありませんので山中ではGPSとはほんの軽いお遊び程度にとどめまして、危険を十分ご承知の上でくれぐれも自己責任で、ご安全な山中でのGPSお遊びが出来ますようお祈りいたします。

お遊びで、他人に迷惑をかけたりするのは絶対に、よくありません。

GPSも所詮お遊び道具、山登りも道楽だからGPSお遊びで、ますます楽しみが増すと思って、山中ではGPSは補助的な使用の範囲で遊ばせてもらい、家に帰ってから、ゆっくりカシミールなどを開いてトラックログを見るのは実に安全だと思うがいかがでしょうか。

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追加2006年

「GPSフィールド活用ガイド」


「GPSフィールド活用ガイド」
高橋玉樹著
山と溪谷社 (2006年7月1日初版第一刷)
ISBN4−635−15022−4

『 2004年の道迷い遭難は553人、「まさか自分が」とみんなが思った。登山時の道迷いへの不安をなくし、より積極的なフィールドでの活動を可能にする、ハンディGPS機器を使いこなすための最高のガイドブックが登場!』


この本は、GPSが登山用にもっと普及するよう意図したものだが、メカに弱い人には 地図のインストールやGPSの設定など、やはり面倒くさいと 感じるのではないだろうか。


カーナビが自動車などに爆発的に広まっているのに比較すれば、登山用には、GPSが今ひとつ、拡大しないのは、使い勝手の悪さ、高価格などなど、 つまりは 、敷居が高いというか、様々な、バリアーが まだまだ一杯という感じがする。




平成18年6月13日 最終更新

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