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積雪期 敗退の記

矢筈山(1848) 平成16年12月30日 

徳島県 三好郡東祖谷山村 美馬郡つるぎ町

ここで紹介している山々は、本州の著名山に比べると、登山道や指導標は未整備です。それは自然が多く残っていて、この山域のいいところなのですが、この山域では、登山者は自己責任での慎重な行動が求められます。コースタイムはご参考程度にしてください。
☆ 山行記録の編集方針について  もご覧下さい。
●この山域への 交通機関 アクセス
●この山域の地形、地質と気象
剣山山頂の気象(平年値極値)
●二万五千分の一地図 「阿波中津」「阿波古見」

★概念図


★記録

平成16年12月30日 曇り 一時雪

深淵 駐車地点 5:51 -- 営林小屋 7:24 -- 落合峠 (10:22-10:48) -- サガリハゲ分岐(13:41-14:06)ここで断念 --- 三加茂東祖谷山線 14:59-- 営林小屋 15:50 --石堂神社 16:12   -- 深淵 駐車地点 16:52

累計歩行距離 23.681km 累計標高差 1764m

深淵 神社で 駐車し 暗いうちから歩き始める。
新雪でトレース無く ラッセルしながら歩く。

県道 三加茂東祖谷山線は 深淵集会所から 冬季閉鎖となり、冬季閉鎖看板も少し埋まってきている。

登るに従って 雪が深くなってくる。 四時間半で落合峠へ 時間がかかりすぎだ。この先まだまだ 時間がかかりそうだ。

案の定 稜線は 雪が笹の上に乗った状態で 一番中途半端な状態で 一歩ごとに 笹の上の 雪のすべてを 落としながら かつ地面まで潜りながらの 難行苦行が始まった。

落合峠からたった500m標識地点までで 45分経過。まだ山頂まで2.5kmある。

樹林帯に入って 少しましなところもあったが、基本的には 雪の付き方が 極めて悪い。時間ばかりが過ぎても 遅々として先に進まない。

サガリハゲ分岐まできて この先の積雪の様子をみて ついに正式に断念した。

2004年1月10日には この分岐から 一時間半で矢筈山頂へ 達しているが この雪では 多分 倍は十分 かかるだろう。(三時間以上)
山頂まで行くには 時間が足りない。

帰りは 峠へよらず 1654m地点から 三加茂東祖谷山線へ ショートカットしておりて なんとか 陽のある内に 駐車地点まで 戻った。 

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☆コースメモ

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★トラックログ


2004年12月30日 etrex-legend-J GPSトラックログ

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものです(承認番号 平15総使、第387号)」
●二万五千分の一地図 「阿波中津」「阿波古見」


カシミール(杉本智彦氏作)利用

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★写真

深淵集会所 冬季通行止め看板 橋の欄干に積もる雪
県道三加茂東祖谷山線ラッセル 県道三加茂東祖谷山線ラッセル
落合峠 雨量計 落合峠 祖谷側から
峠から500m ここまでで45分 中途半端な積雪量
稜線 雪が中途半端 潜り込んでしまう
サガリハゲ分岐標識  トラバース道 時間がかかりそうだ

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★敗退の記

●積雪期の山行は 天候次第である。
まず 積雪状態は、積雪期の山行の 行動を左右する 重要な要素ですが、その積雪状態も もとをただせば その山行に関わる何日も前からの 降雪状況とかによって 変化しているのですから、 天候に起因して 積雪があり 雪の状態が変わり 積雪量が変化するということなのです。

だから積雪期の山行は 要するに 天候次第でして 雪山山行の 運 不運は 天候次第で決まってくると考えて よいのです。

絶好の 気象条件が続けば 何の苦労なく山頂に立てるのに 気象条件が悪い日が続けば 積雪状況も悪くなり どんなに頑張っても 計画通りの山行は絶対出来ないのは当然のことでなのです。

それだけのことばかりか、運悪くすれば ピストンルートでさえも 退路も断たれて 登りラッセルのところが 下りでも 絶望的な不安定な 底なし ラッセルなどということになります。

こうしたときは 無理が生じて、遭難につながることになるような 厳しい状況に 登山者を追い込んでしまいます。
●矢筈山の積雪期は まずアプローチの難しさ
この山域一帯で 冬場 厳しい条件を味わうことのできる場所は いくつかありますが、 中でも 積雪量の多い時期の 矢筈山(1848)の登頂は とりわけ 試練の多いものになることが多いのです。一月下旬頃から 二月上旬のころが 平均的に 気温が一番低いのですが、積雪量、雪質は 年によって 大きく変わってきます。

矢筈山は 厳冬期には この山域の中でも 雪の量も多く なんといっても アプローチも悪いため 入山者はほとんど無く トレースなど全く期待できません。それだけに 地味な雪山ですが こうした 地味な魅力に惹かれて 例年 一月二月の積雪期に 何度かは登るようにしています。
●56豪雪の年(1981年)の時のこと
 矢筈山の 積雪期の記録で なんといっても 一番印象深いのは 豪雪の年(1981年)の時のことです。
 1981年の冬、その頃は まだ若くて 血気盛んな頃でしたが、 敗退3度の末 4度目の正直で やっと 山頂へ辿り着いた 1981年(56豪雪)2月15日の矢筈山 登頂記録は 極めて強い 印象を残してくれました。

それも 三加茂町奥森清から歩いて 峠を越え入った 雪深い 深淵を経由しての 長いアプローチで 難行苦行の末の山行でしたが、この時の強烈な印象が この山域の魅力に 更に惹き込まれる きっかけとも なりました。

 この豪雪の年に限らず たとえ平年並みの積雪の年でも 積雪期敗退の記録は正直言って 数多くありますが、最近は 物凄く多い 積雪の年は どういう訳か この山域でも 少なくなってしまい、敗退も 随分 少なくなってます。
●最近の 1月2月の 矢筈山山行
最近年の1月2月の 矢筈山山行

1月登頂 2月登頂 敗退
1997    
1998  
1999  
2000
2001  
2002  
2003  
2004       
2005   

 2000年2月に天候悪化のため 無理せずに敗退した他は、上記のように かつての豪雪の年とは違い このところ 積雪量、雪質や天候に恵まれてきていて、敗退は格段に 少なくなっていました。

が、2004年12月30日 久しぶりに、敗退 となってしまいました。
●敗退の記録をあえて公開するのは

敗退の記録をあえて あえて 公開するのは 積雪期の山行では 天候に起因した積雪状態のもとですから 人力のラッセルなど 本当に微々たるもので、自信をもって 挑んだ山で、 体力 気力 十分もってしても 登れないことがあるのを痛感していることによります。

あえて 大袈裟にいえば たとえ人知を尽くしても それだけでは 次々に襲いかかってくる 大自然のあの手この手の 厳しい試練を 前にしてどうしようもないことがあります。

ですから やむなく 敗退というのが一番賢明な選択ということの場合がおおおうにして あるのです。

しかし 考え方を変えれば 敗退は 「また 次回 に来い」という 自然からの 励ましのメッセージであり  次回に楽しみを 繋いでくれることで 敗退を素直に受け入れて 感謝の気持ちを 持つことが大事です。

ただ危険を避ける だけでなく 次回に 楽しみを残しておくのも 山行意欲というか モチベーションを繋いでくれるためにも 敗退は 良いことかもしれません。

敗退

●何の苦労もなく 山頂に立つと、案外 印象が浅い
同じ山に登っても 下から歩いていた時代に比べ 山頂近くまで伸びる 車道とか リフト ロープウェイなどの 便利な 交通手段を使えば使うほど  山行の印象は薄くなるのです。

積雪期でも 何の苦労もなく 山頂に立つと、案外 印象が浅いもので ただ登ってしまった位の 平凡な印象しか残りません。

それに比べ 難行苦行の末 苦労を重ねて 最後に 敗退を選択をした場合 極めて強い 印象を 長く残してくれます。
それ以後の 長い山行人生にとっては 敗退の方が ずっと 発展的な結果につながると思います。
 
教訓 「敗退は 貴重な 目標を 与えてくれる。」

★矢筈山 の 難しさ

●東祖谷山村側から
無雪期 落合峠まで車が入れるので 冬でも簡単に登れるのかと 思われますが、 簡単に登れるのは 落合峠へ車が入れる時期だけのことです。

仮に 営林小屋まで 入れれば もうそれはかなり 雪が少なくなっている証拠です。

降雪がある頃になると、落合峠を挟む 県道三加茂東祖谷山線は冬季閉鎖になり、除雪対象外の路線となり、まず落合峠へ達するのが、大変になります。

冬季閉鎖中 クロスカントリー用の4WD車が 車列を組んで 雪道チャレンジをすることがあっても、登山者が 登山のために 落合峠へ 車で到達することの出来るのは 初冬の雪の少ない時期か 春先の頃かに限られます。

原則的に 歩きで 峠へ到達するしかありません。

コース自体は 技術的にも問題になるところや 危険箇所が少ないものの 無雪期のサガリハゲ分岐あたりからの 斜面のトラバースは 雪質を見て判断し 斜面が安定してないときは トラバースの夏道は通らず 夏道の サガリハゲへの道のように そのまま 矢筈山の第二峰を乗り越えてから 稜線通しに いく必要があります。

最低鞍部は例年 物凄い積雪量で これからの夏道は 尾根の左側についていますが 雪の状態によっては 南東側を 捲き気味に行く方が 安全です。
●片川(つるぎ町 旧一宇村)側から
確かに 片川からは 深淵に比べ 積雪期のアプローチは楽になりますが 矢筈山への登路は 雪質によっては とても厳しいものです。
まず片川の沢沿いで 深い谷の 危険箇所を通っていき 徒渉、 北側に面した雪面は フワフワで 潜りやすく 上部に行けばいくほど 急に 深くなり 縦走路に出てから 雪庇の張り出しの急斜面があります。
雪質によっては 縦走路に出てから ブロック崩壊の危険性もあり 安定しない雪質では大変危険ですので 頂上直下で敗退の可能性があります。
●つるぎ町(旧 半田町 大惣)より 
八千代 紙屋経由で はいると 除雪状況は年により変わっていますが 場合によっては  石堂神社近くまで行ける可能性があります。
ただ 白滝山 石堂山と 長いラッセルをこなして行くには 気力 体力 十分にないと 時間切れです。

石堂神社から 登ると 三号標識を過ぎ  稜線へ出る手前で 夏道は南面へ まわっていますが 雪の量や 雪質によっては よく崩れる 箇所なので 夏道を 外し 尾根沿いを 狙って トレースする 必要があります。

石堂山からの縦走路は 片川からの道と合流するため 頂上直下の危険箇所は 片川コースと一緒です。

山頂を目の前にしての 積雪状況が 不安定で 断念ということもありうるところです。
● 残置赤テープなどの標識は 原則的に夏用です
落合峠から 片川沿いでもからでも 残置赤テープなどの標識が目障りなのですが、多くの場合 残置テープは無雪期ので 雪山用ではありません。

積雪期は 雪質を見極めて 自己責任で 雪道を進むのが原則です。

仮に 積雪期につけた残置テープがあっても つけたときとは雪質が変化して その時は良かったとしても 今はよいかどうかは あくまで その時の判断です。

一般的に 赤テープは トラバース箇所とか わざわざ 苦労するような ところに導いているのが おおいのです。

 残置テープ問題は別の項をご参照下さい。(赤テープは付けた人が責任もって回収すべきものです。)

★定点観測地点

定点観測 積雪量比較

[ 白滝山 ]
[ 石堂山 ] [ 石堂山 山頂東 五号標識 ] [ 石堂山 南 水場標識 ] [ お塔石標識 ]
[ 矢筈山 ] [ サガリハゲ分岐標識 ] [ 矢筈山 北側 稜線 ]
[ 落合峠 ]


平成17年4月3日 第一版
平成17年4月5日 改訂増補

ご注意
この登山道は十分には整備されていません。険しい山道が続いています。
気象条件やあなたの技量と体調をよく考えて、適切な装備を準備した上で、くれぐれも慎重に判断し自己責任で行動してください。自然へのインパクトを出来る限り少なくするよう心がけましょう。

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